
One Team
ものづくりの現場から
融着型現地組立コネクタ「Lynx-CustomFit®」は、品質を徹底的に磨き上げながら進化を遂げてきました。そこには、日本製ならではの細やかな気配りや、職人のこだわりが息づく改良の積み重ねがあります。高品質を軸にお客さまにとっての「使いやすさ」を徹底的にこだわってモデルチェンジを続けた結果、トップレベルの高い組立成功率を実現しているのです。

モデルチェンジの出発点は、初心者による組立作業の観察にありました。熟練者であれば当たり前にできてしまう組み立ても、慣れていない人が手にすると、どこで迷い、どこが分かりにくいのかが浮き彫りになります。その気づきを丁寧に拾い上げ、議論を重ねることで改良点を探ってきました。何度も作業を繰り返すうちに見えにくくなる課題を、新しい視点から捉え直すことが重要だったのです。
「使いやすさ」を最優先に据え、初心者の感覚を開発に取り込んできたことこそが、Lynx-CustomFit®の本質であると考えています。

開発の大きな課題のひとつが、部品点数の多さでした。組立順序を誤れば不具合につながるため、設計段階から抜本的な見直しが必要となりました。
そこで生まれたのが「部品をひとまとめにする」という発想です。一見シンプルに思えますが、構造の工夫や固定方法など課題は山積みでした。日常の家電や機器に目を向け、そこに隠された仕組みを応用できないかと考え続け、試行錯誤を重ねてきました。
さらに、部品をまとめれば社内での組み立て工数が増え、コストに跳ね返るという問題もありました。最終的には価格を据え置いたまま組み立てやすさを実現する方向で調整を進め、解決策を導き出すことができました。現地組立型ならではの自在性と精度の両立を追求するプロセスは、挑戦と創意工夫の連続でした。

Lynx-CustomFit®は、国内のみならず世界中で使用される製品です。細部まで作り込む姿勢を徹底し、妥協を許さないものづくりを続けてきました。
お客さまに安心して選んでいただける品質を守り抜くため、価格を据え置きながら社内では加工費を下げる工夫を積み重ねてきました。内部での努力を積み重ねることで、「はじめてでも簡単に組み立てられる」「成功率を上げる」という価値を確かなものにしているのです。

品質へのこだわりはガラスが露出する光ファイバを密封するパッケージにも表れています。繊細な扱いが必要とされる光ファイバへのゴミの付着を防ぐことは当然である一方、密封シールが強すぎれば開けにくく、弱すぎれば輸送中に剥がれてしまうという相反する課題に直面しました。
高温多湿や輸送環境にも耐えながら容易に開封できるようにパッケージの材質や形状、密封方法についても複数メーカーと検討を重ね、医薬品や食品分野の知見を取り入れることで、最適解を導き出すことができました。

Lynx-CustomFit®のモデルチェンジは、社内の体制にも大きな変化をもたらしました。トップダウンで「決まったものをつくる」のではなく、メンバーが能動的に意見を出し合い「相談しながら進める」体制へとシフトしたのです。
よりお客さまに近い当社米拠点のSUMITOMO ELECTRIC LIGHTWAVE社(以下、SEL)のメンバーとも具体的な技術議論を密に行い、チーム全体で製品を育てているという実感が深まりました。3D CAD技術を活用したやりとりにより、試作品の開発もスピード感をもって進行でき、議論が活性化し、開発力そのものが大きく高まったと感じています。
また、開発の現場ではスピード感も重要です。海外のSELに3D CADのモデルデータを渡すと、すぐに試作を行い、その結果を迅速にフィードバックしてくれました。その動きに応えるように私たちも改良を重ね、スピード感のある開発を進めることができました。こうした協働の姿勢は、Lynx-CustomFit®の進化をさらに後押ししていると感じています。

現在の製品に満足しているわけではありません。むしろ「もっと良いものをつくりたい」という想いが、進化を止めない原動力になっています。誰もが使いやすく、どんな環境でも安心して使用できる光コネクタへ。世界中の仲間と能動的にアイデアを持ち寄りながら、Lynx-CustomFit®の開発はこれからも続いていくと考えています。
そして、Lynx-CustomFit®の開発において大切にしているのは、単なるものづくりではなく、そこに宿る姿勢を次の世代へ受け継いでいくことです。誰もが見逃しそうな細部にこそ価値があると信じ、手間を惜しまず工夫を積み重ねてきました。その「職人的なこだわり」を後輩たちに引き継ぎ、未来の開発へとつなげていきたいと考えています。