
One Team
Interview with Sumitomo Electric
2年に一度、世界中の青年技能者が集い、培った技を競う技能五輪国際大会(WorldSkills Competition)。住友電工は「情報ネットワーク施工」職種のスポンサーとして、2013年から大会を支え続けてきました。製品を届けるだけではなく、技能の伝承と人材育成を通じて業界全体の発展に寄与する――その想いで活動を支援してきた光機器事業部にインタビューしました。

技能五輪国際大会(以下、技能五輪)は、世界各国・地域から選抜された青年技能者(原則23才以下)が、職種ごとに技術を競う世界最大規模の技能競技大会です。住友電工が関わる「情報ネットワーク施工」職種では、光ファイバの接続やネットワーク配線の施工技術が競われます。
参加企業の中には、大会までの一年間をこの競技に捧げるほど、技能五輪は選手にとって重要な舞台となっています。高校時代からこの大会を目指し、就職した後もこの競技をやりたいという夢を持つ選手も少なくありません。彼らにとって、技能五輪は人生をかけた挑戦なのです。また、競技の奥深さは、答えが一つではないところにあります。選手たちは自ら設計図を起こし、最短で最高品質の仕上がりを目指します。配線の仕方一つとっても選手ごとに工夫があり、幅広い製品を使いこなして一連の作業を完遂するその姿は、まさにプロフェッショナルの仕事そのものです。

住友電工が初めて技能五輪のスポンサーを務めたのは、2013年のドイツ(ライプツィヒ)大会でした。当社では先例のない取り組みでしたが、当時の担当上司の強い信念が、住友電工の参画を後押ししました。しかし、当初は社内で疑問の声もありました。融着接続機は競技で前面に出される一方で、光成端箱や現地組立コネクタなど、住友電工製かどうか一見してわからない製品もあります。「やる意味があるのか」という問いかけに対し、当時の担当上司は明確に答えました。「製品PRができるかどうかという話ではない。われわれが人材育成や技能の伝承まで担い、この業界自体を盛り上げていく。それがトップシェアメーカーとしての責務であり、社会的責任なのです。」―その信念は、10年以上の時を経た今も、私たちの活動の原点であり続けています。

私は国内大会の審査も務めており、公平な審査を大前提としています。そのうえで住友電工は、メーカーならではの技術支援を展開しています。選手たちは融着接続機を使いこなす中で、自分に最適なカスタマイズをしたいという要望を持っています。一人ひとりと向き合い、その選手の技能を最大限引き出せるよう、機器の設定を細かに調整する。メーカーとしてのノウハウがあるからこそできるサポートです。
住友電工の支援は、物品の提供にとどまりません。競技の設計段階から大会当日までのきめ細かなサポートを通して、長年にわたる実績の積み重ねが、技能五輪の協会からの厚い信頼につながっています。

この活動を通じて最も心を動かされるのは、選手たちの姿です。一年間、選手たちの努力をそばで見続けてきたからこそ、彼らがどれだけ真剣に向き合ってきたのか手に取るように伝わってきます。練習ではそつなくこなしてきたことが、本番では緊張で思うようにいかないことがある。悔し涙を流す姿も何度も見てきました。反対に、自分の力を十分に発揮し、頂点に立って喜びの涙を流す瞬間もあります。そしてそれは一人の物語では終わりません。みんなで応援して、みんなで喜んで、みんなで悲しんで―そういう光景を見ると、本当に胸を打たれます。彼らの純粋な想いとひたむきな姿勢に接する度に、胸が熱くなります。自分ももっと頑張らなければと、心が洗われる思いです。
大会を経た選手たちは、これまでに磨き上げた高い技能をその後も発揮し続けています。指導者として次世代のメダリストの育成に励む人、海外の現場で技能を伝承する人、「現代の名工」や黄綬褒章を受章する人―技能五輪で培われた力は、一人の人生を超え、次の世代へと確かに受け継がれています。

2026年、技能五輪国際大会は上海で開催されます。さらに2028年には日本での世界大会も控えており、今年はその大事な一歩となります。
技能五輪は、日本ではまだ十分に認知されていないと思います。しかし『ものづくり日本』が叫ばれる一方で、技能の伝承が深刻な課題になっているのが現実です。この大会は青年技術者への技能の継承と施工技術の発展に大きく寄与しています。日本の高度な技術を世界に示す、非常に重要な舞台なのです。利益を求めることだけが仕事の目的ではない。業界全体に寄与できる技術者人材育成、『ものづくり日本』に寄与できる青年技術者の育成。そういうことに積極的に取り組むメーカーは多くありませんが、われわれはそういう会社でありたいと願っています。一人ひとりが目の前の人に寄り添い、社会全体に良いものをもたらしていく。それが巡り巡って、私たち自身の成長にもつながっていくのではないかと思います。
技能の伝承と発展に、使命感を持って向き合い続ける。住友電工のスポンサー活動は、これからも選手たちと業界の未来を支えていきます。
光機器事業部 メカトロニクス部 主査