
One Team
ものづくりの現場から
光機器事業部でLynx-CustomFitⓇを担当し、現地組立でも工場組立並みの品質を追求しています。細かい工夫を凝らした製品は米国で評価され、守破離の精神で新領域開拓に挑戦しています。「これまでと違う新しいことができるかもしれない」とワクワクするこの気持ちを大事にしながら、新しい挑戦に取り組んでいくことが、この仕事の醍醐味だと思います。

現地組立コネクタの性能は、製品と組立作業の両面に影響されるので、製品品質のみならず、間違いなく組み立てられる光コネクタを開発しています。現地組立コネクタは品質が心配だという世間一般の認識がありますが、「工場組立コネクタと比べても妥協のない製品を提供する」ことが従来から一貫した私たちの考えです。
工場組立コネクタは、管理された環境で熟練作業者が専用設備を用いて製造し、さらに全数検査も行われています。そのため、現地組立コネクタが品質面で肩を並べることは容易ではありません。さまざまな課題に向き合いながら、スパイラルアップを続けてきた製品がLynx-CustomFit®だと思っています。
今年2025年4月に、Lynx-CustomFit®が米国の大手通信メディアLIGHTWAVE+BTRより表彰されましたが、まさに私たちの取り組みがマーケットからも認められた気がしました。同時に、これからも高速で安定した光通信インフラを支える、一隅を照らすような製品を提供していこうという気持ちを新たにしました。食品にたとえると、ファストフードでもスローフードでもないProper Foodを、いつでも、どこでも、誰にでも調理できるパッケージにして提供する。世界のセントラルキッチンのような存在でありたいと思っています。

当社アメリカ拠点の営業責任者が来日して対面した時、当社製品がお客さまから選ばれる理由は何かを聞いたことがあります。その時の 、彼の回答は、「他社製品と比べて光損失が少なく、組み立ての成功率が高いから」ということでした。
これを聞いた私は、改めて自社製品をよく見てみたところ、小さなコネクタの細部にいくつもの工夫が加えられていることに気が付きました。まさにこれが我々の製品が選ばれる理由なのだ、一手間をかけたProper Foodと呼ぶに相応しい、と思いました。
その後、今度は私がアメリカ拠点を訪れた時に、これらの”一手間”について図や写真を示しながら紹介し、自社製品への理解を深めてもらいました。そして、その内容を「今初めて知った人は手を挙げて下さい」と言ったところ、30人近くものスタッフ全員が一斉に手を挙げたことを覚えています。なかなか言葉では伝えにくい内容なので、自分も少し手間をかけて分かりやすい内容の資料を作ろうと思いました。その資料は、現在の製品ウェブサイトにも掲載するなどして役立っています。

「鳥の目・虫の目・魚の目」を 意識して、「目指すべきこと」、「現場の実情」、「時勢の流れ」を正確に理解するようにしています。それぞれの間にあるギャップを埋めていくことが私の課題です。
私は2020年からこの製品を担当していますが、当初はコロナ禍の影響で、設計・製造・営業それぞれの現場の実情を理解することに苦労しました。しばらくして、部門間の交流が次第に回復するようになり、製品をモデルチェンジするというアイデアが営業部門から湧き上がりました。しかし、それに対して、課題や懸念点も上がってきました。正しい答えは私にも分かりませんでしたが、当たり前のようにやっている仕事を見つめ直すことが新しい力になると感じました。チームメンバーには、車に例えて「クルーズコントロールボタンを押してサーキットを走っていてはレースには勝てない。アクセルもブレーキも全力で踏み込むように」と伝えました。そうすると、不思議なもので、部門間で意見交換していくうちに、次第に全員が前向きに取り組むようになりました。こうして出来上がった製品が、現在のLynx-CustomFit®です。何かいつもと違った仕事をやろうとすると課題に直面するわけで、うまく克服できることもあれば、失敗することもあります。そういった経験を通じて、自分たちが成長していることを感じ、次はもう少し大きなことにチャレンジできるようになる、ということが重要だと思います。

私が製品を引き継いだ時、すでにLynx-CustomFit®には、先人たちの知恵と工夫が詰まっていることに深く感銘を受けました。先輩方から引き継いだ事業を守り、育て、伸ばしていく。守破離の精神で、これからは本製品の新しい適用領域を開拓していくことができればいいなと思っています。そのようなアイデアも現在温めているところです。
ある自己分析ツールによると、私の一番のモチベーターは「問題解決」らしいのですが、よく当たっていると思います。何か課題に直面した時に、メンバーと一緒にあれこれ議論し悩みながら、ある時一気に視界が開けるようになる。そういう経験を繰り返してチームが成長していく過程に立ち会えることが、何より楽しい時間です。
Lynx-CustomFit®の可能性はまだまだ拡がっていきます。うまくいくか、失敗するかはやってみなければわからない。けれど、「これまでと違う新しいことができるかもしれない」と思うと、私はワクワクします。この気持ちを大事にしながら、新しい挑戦に取り組んでいきたいと思っています。それが、ものづくりの面白さでもあり、この仕事の醍醐味です。