One Team
ものづくりの現場から
住友電工の融着接続機を製造する湘南工場には、毎日、世界各地から製品づくりのための部品が届き、そしてまた世界各地へと完成した製品を出荷しています。物流の入口で荷物の受入検査を担当する私たちのミッションは、数千数万の小さな部品をすべて確認し、決して不良部品を工場の中に入れないこと。その1つ1つを人の目と手で行うからこそ、みんながより良く働ける環境づくりも重要です。高品質なものづくりを支える「物流の入口」の舞台裏をご紹介します。
物流係の業務には、製品づくりのための部品を受け取る「入口」と、製品を出荷する「出口」の部分があります。私は入口側で、入荷対応と受入検査を担当しています。この工場に入ってくるものはすべて私たちのところを通るのですが、製品をつくるための部品だけでなく、開発部門が発注した新しい実験をするための材料や、個人宛に届いた海外販社からのサンプル、お客様からお借りする物品、さらにはオフィス用品や各種備品まで、とにかくいろいろなものが届くわけです。それを早く、適切に仕分けていかなければなりません。入荷対応では、まず最初にその荷物を確かに受け取ったという入荷登録をします。もしこの登録がもれたり遅れたりすると、メーカーやベンダーへの支払ができずご迷惑をおかけするだけでなく、会社としての信用問題にもなるので、気を引き締めて業務にあたっています。
その次の工程である受入検査は、製造用の部品が対象です。発注通りのサイズや色か、部品に傷などの不良がないかを目視で確認する外観検査を行います。1種類の部品でも数千個単位で届き、5千個や1万個の小さな部品を1つ1つすべて人の目と手で確認する必要があります。検査対象の部品はもちろん1種類ではありませんし、数も膨大、この傷はOKだけどこの傷はNGといった基準も部品ごとに異なるため、とても地道でハードな仕事です。でも、受入検査で不良を見逃して工場へ流してしまうと、その波及範囲はとてつもなく広い。だからこそ、必ず見つけて取り除かなければいけないという責任感と緊張感を持って取り組んでいます。とはいえ、朝から8時間ずっと集中力を保つのは大変なこと。チームのメンバーと「進捗はどう?」「ちょっと気分転換する?」などと声をかけあったり、ストレッチをして体を動かしたり、随所でコミュニケーションをとることで、高品質なものづくりのための役割を果たせるよう努めています。
工場という場所は、たくさんの人が集まって、様々な仕事を同時進行しています。物流の現場にも大きな機械や重い荷物がたくさんあり、それを操作したり運んだりと、常にあちこちで人もモノも動いているという状態です。私たちの融着接続機を待っているお客様のために、少しでも早く、高品質なものづくりをする。そのために、まずは物流の入口である私たちが、不良部品を流さないための確認作業に全力で取り組む。人の目で、人の手で、五感を使わなければできない人間頼りの作業だからこそ、ケガや事故が起きないように細心の注意を払うのはもちろん、みんなが快適に過ごして、みんなでいい仕事ができる環境をつくる。そこで一番最初にやらなければならないことが「安全への取り組み」だと思うのです。
安全は誰か一人によってつくられるものではなく、全員が自分自身とみんなのために常に意識していなければ成り立ちません。なので私は安全教育にも力を入れています。ケガだけでなく頭痛や肩こりなどでのつらい思いもできるだけなくしたいので、日々の作業の中で起こりがちなことにも対策を考えています。肩こりになるのは作業時の姿勢のせい?それは机や椅子の高さが合っていないから?というふうに深掘りしていくと、何かしらのヒントが見えてきます。一緒に働くみんなにケガやつらい思いはしてほしくないから、目を配ったり知恵を出したり、自分に協力できることをして解決していきたいんです。みんながより良く働ける環境づくりをしていくことも、素晴らしい製品を力を合わせてつくっていくためのとても大切な要素だと思います。
住友電工の融着接続機を製造するこの湘南工場では、毎日、世界各地から荷物が届き、世界各地へと出荷をしています。中国、タイ、アメリカ、サウジアラビア、イタリアなど、入出荷において見かける国の名前を挙げればきりがありません。なじみのない言語や文字を見かけることも多く、いつもそのグローバルさに驚いています。私たち物流掛は荷物を通じて、そんな各国と住友電工のまさに接点にいるとも言えます。例えば、中国や他のいくつかの国から入荷した部品を、私たちが受け取って検査を行い、製造へ渡して製品として組み立てられる。それを次はタイのお客様へ出荷するというようなことが、毎日この工場の中で行われているんです。本当にすごいことだと思います。それにはもちろん、住友電工の各部門の連携だけでなく、日本を含む世界中の部品メーカーや、流通会社や販売会社、納品先の企業など、国境を超えたすごくたくさんの人の関わりがある。それが「つながる」ということなんだな、その中に私もいるんだなというのは感慨深いものです。
お客様の希望納期に応えるために、あれもこれも急ぎで対応してという依頼はよくあります。でもどんなに急いでいようと、入荷登録も受入検査も必ず必要だし、ミスがあってはならないものです。急いでいる時ほど落ち着いて、手順を守って、最高のチームワークを発揮していくことが大切。みんなで声を掛け合ったり、手分けしたり、話し合って段取りを調整したり、ピンチをみんなで乗り超えようとする時の連携プレーが私は大好きです。自分に任された仕事を仲間とともに確実に誠実にやっていくことで、これからも物流の入口から“One World, Connected.”に貢献していけたらと思います。